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悪循環というシステム [行動システム心理学]

悪循環というテーマは、
 生活システム論の
  もっともコアな部分の一つ
   といえるテーマです。

このアプローチで
 扱おうとしているのは、
  『悪循環を良循環に変える』
   というシンプルな話です。

たったそれだけのことなのですが、
 それが非常に難しいことだからこそ、
  問題を抱えている状況から
   抜け出せないという人が
    多いわけです。


そこにはさまざまな
 バランスの悪さが
  絡んでいます。

例えば、
 ペースやエネルギー配分の偏り、
 過集中、
 偏った認識、
 異なる視点からの理解の不足、
 視野を広げようとする努力の欠如、
  ・・・
   ・・
    ・
    などなど、
     枚挙に暇がありません。


それらに対応して、
 そうした状況から
  抜け出せるか抜け出せないか
   の違いには
    いろいろな要因が
     絡んでいますが、
その中でも、
 悪循環になっている
  という状況を
   どのようなレベルで
    認識できているか
     ということが、
      最も重要な部分です。

バランスの悪さを
 しっかりと認識できれば、
  ズレなどを修正して
   バランスを取ろうとするわけですが、
そこをしっかりと認識できていないと
 より偏った方向に
  修正してしまうことになります。


それを誤修正という
 言葉で表せるかもしれません。

誤修正が積み重なって
 固定化してしまったものが
  悪循環という状態になります。

客観的に見れば、
 悪循環につながって
  しまっているので、
   不適切な修正だったと
    言えるのですが、
難しいのは、
 ご本人にとっては
  問題が解決するはずだと思って
   調整や変更など行っている
    ことに修正の難しさがあります。



他の方法を知らないなどといった事情で、
 ずうっと、それが正しいはずだと
  信じてきてしまった結果
   形成されているシステムなので、
    長い形成過程をたどっている人ほど
     その改善は困難なものになります。

悪循環のうち、
 表面に出ている
  一部の問題だけを
   何とかしようとしても、
    すぐにまたもとの状態に
     戻ってしまいます。
 
例えば、
 昼夜逆転してしまっている人の
  パターンとして、
 朝起きれないので、
  早く寝ようとしても眠れない
   といことがあるとします。
 起きるのがだんだん遅くなっていってしまって、
  昼間寝て、夜起きているという
   生活リズムが固定してしまいます。 

この問題の根本には、
 昼間にやることがないために
  夜型になる
   ということが多いのですが、
そこから抜け出そうとするときには、
 朝起きれないので、
  昼間の活動ができないという
   視点のズレが生じています。

原因と結果が
 逆転してしまう感じですね。

この逆転現象を
 丁寧に見ていくと、
  起きる時間・寝る時間
   云々よりも、
 やりたいことが見つからない
  ことのほうが根深いのですが、
   そこに意識が行きにくいです。



やりたいことを見つけるための行動を
 展開するためのモードに切り替えれば、
   いろいろとやることは
    見つかるはずですが、
 問題意識はあっても
  今に至るプロセスそのものに
   何の違和感も感じずに
    月日を重ねていくと、
  逆転していることが
   当たり前になって
    元に戻すことに
     違和感や苦痛を
      感じるようになってしまいます。

このように、
 「日常」という感覚が
  ずれていくことは
   何が「当たり前」なのかも
    マヒしてしまうことなので、
 そのあたりの感覚を
  取り戻すプロセスが
   欠かせません。

「日常感覚」の正常化、
 ということになると思いますが、
  基本的には
   「手足を動かし五感をはたらかせる」
    というごくごく当たり前のことです。

固まってしまっている
 「日常感覚」をほぐして、
  自分自身が
   こころから歓ぼうとする衝動を
    解き放っていくことによって、
     「ありのまま」の
      自分の感覚を取り戻すことになるでしょう。
それが、良い循環を
 取り戻すための
  一歩となります。


日本の代表的な精神療法の一つに
 森田療法というアプローチがあるのですが、
  『注意と感覚の悪循環』を
   『精神交互作用』と呼んで
    病気を理解する際の
     重要な概念と位置づけています。

 森田療法の効果や信頼性には
  いろいろな評価がありますが、
   本来は、おそらく、
    悪循環を解消するために
     そういった感覚を取り戻すプロセスを
      実現しようとしたのではないかと
       思われます。



また別の機会に
 ていねいに述べたいと
  思っていますが、
悪循環とは
 自分に閉じた
  循環プロセスだと
   考えています。

何らかの問題が原因で、
 外からの刺激を
  不安定感を引き起こす要素として
   排除するようになり、
    閉じた循環プロセスの中で
     狭い範囲の安定を得ている状態です。
自己に閉じているので、
 当然ながら、
  変化はありませんし、
   本質的に問題は解決されません。

こうした循環から
 良循環にどうしたら
  転換できるか
   ということを考える際に、
    他者に開かれた
     循環プロセスという考え方を
      並べてみることができます。
他者に開かれた
 循環プロセスが、
  風通しを良くして
   本来の日常を
    取り戻せるようにするのですが、
 それに伴う
  変化への抵抗や違和感
   といったものを
    いかに和らげられるかが
     大きな課題となります。

言い換えれば、
 閉鎖系のシステムから
  開放系のシステムへの移行
   といった
 システムの移行に伴う混乱を
  最小限に食い止めるための工夫とは
   どうあるべきかということになります。



そろそろ文字数も
 だいぶかさんできたので、
  詳しくはまた別の機会にしたいと思いますが、
 最後に、循環の軸となっている
  感覚や価値観を維持しつつ、
    システムを段階的に移行させる
     ということについて
      述べておきたいと思います。

軸足を安定したところに置きつつ、
 さまざまな展開を
  ゆっくりと模索する
   支援モデルは、
おそらくさまざまな
 自己開発案件に
  応用できるのではないか
   と思っています。

軸を少しずつずらして
 効果を高めていきながら、
  良循環へと移行する。
そんなシンプルな
 モデルではありますが、
  ずらし方の技法はさまざまで、
   ニーズに合わせて
    使い分けることで、
     より大きな効果を
      もたらすことができます。
特に、
 変化への抵抗感を
  最小限に食い止めつつ
   循環プロセスを
    転換させる際に
     大切にすべきことについて、
      ていねいに整理してみたいと思っています。

タグ:悪循環
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