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行動の自動化 [行動システム心理学]

行動の自動化について、
 私の専門分野の観点から
  整理してみたいと思います。

行動の自動化、
 つまりは、ルーチン化ということ。

意識をしなくても、
 何かが勝手に動くといった感じ。

いつもは食事してからひげをそるのですが、
 今朝は時間があったので、
  食事前にひげをそったら、
   無意識に歯磨きまでしてしまいました。

食事してから
 改めて歯磨きしなおししました。


単純な自動化は精度を下げてしまうので、
 さまざまな状況に対応できるような
  プログラミングが必要となります。

「こういう場合はこう」
 というように、パターンを構造化して
  より複雑な状況にも
   対応できるようにしていきます。

最初は一つづつ新しいパターンを
 個別に追加していきますが、
  ある程度関連性が見えてきたり、
   優先順位などが見えてきたりします。

そうすると、ある法則のもとに、
 一定の範囲の状況設定を
  「ひとくくり」にすることができます。

こうした心理現象を心理学では
 「般化」と呼ぶことがあります。

物事を上手に「括って」
 物事をシンプルに捉えられるようになると、
  自動化の精度が高まり
   コストパフォーマンスが高まります。

私は、このようなことを、
 「行動の構造化」
  と呼んでいます。

これまで、行動の構造化を行う
 メタ心理学的な心的機能について、
  研究してまいりました。

その機能は  「自我」と呼ばれることがあります。

私は、発達障害や引きこもりの方への
 支援現場での実践を行っていますが、
新フロイド派以降の自我に関する理論を
 現場での問題に照らし合わせて
  改めて整理してみると
   非常に興味深いものが見えてきました。


「自我」という言葉は
 「自我が強い=自己中心的」
  という文脈の中で誤解されることが多いので、
  あえて違う言葉を使っていますが、

人間が本来を持っている力を
 発揮するための
  「行動システム」と捉えて
   理解を深めようとして参りました。

その中でも、
 「行動の構造化」が
  うまくいきやすい人、
   うまくいきにくい人
    の比較などから、
     多くの知見を得ています。


その知見を体系化・理論化するのが
 研究者としての自分の責務である
  ということを肝に銘じて
   さまざまなことに取り組んでいこうと思う
    今日この頃です。

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悪循環というシステム [行動システム心理学]

悪循環というテーマは、
 生活システム論の
  もっともコアな部分の一つ
   といえるテーマです。

このアプローチで
 扱おうとしているのは、
  『悪循環を良循環に変える』
   というシンプルな話です。

たったそれだけのことなのですが、
 それが非常に難しいことだからこそ、
  問題を抱えている状況から
   抜け出せないという人が
    多いわけです。


そこにはさまざまな
 バランスの悪さが
  絡んでいます。

例えば、
 ペースやエネルギー配分の偏り、
 過集中、
 偏った認識、
 異なる視点からの理解の不足、
 視野を広げようとする努力の欠如、
  ・・・
   ・・
    ・
    などなど、
     枚挙に暇がありません。


それらに対応して、
 そうした状況から
  抜け出せるか抜け出せないか
   の違いには
    いろいろな要因が
     絡んでいますが、
その中でも、
 悪循環になっている
  という状況を
   どのようなレベルで
    認識できているか
     ということが、
      最も重要な部分です。

バランスの悪さを
 しっかりと認識できれば、
  ズレなどを修正して
   バランスを取ろうとするわけですが、
そこをしっかりと認識できていないと
 より偏った方向に
  修正してしまうことになります。


それを誤修正という
 言葉で表せるかもしれません。

誤修正が積み重なって
 固定化してしまったものが
  悪循環という状態になります。

客観的に見れば、
 悪循環につながって
  しまっているので、
   不適切な修正だったと
    言えるのですが、
難しいのは、
 ご本人にとっては
  問題が解決するはずだと思って
   調整や変更など行っている
    ことに修正の難しさがあります。



他の方法を知らないなどといった事情で、
 ずうっと、それが正しいはずだと
  信じてきてしまった結果
   形成されているシステムなので、
    長い形成過程をたどっている人ほど
     その改善は困難なものになります。

悪循環のうち、
 表面に出ている
  一部の問題だけを
   何とかしようとしても、
    すぐにまたもとの状態に
     戻ってしまいます。
 
例えば、
 昼夜逆転してしまっている人の
  パターンとして、
 朝起きれないので、
  早く寝ようとしても眠れない
   といことがあるとします。
 起きるのがだんだん遅くなっていってしまって、
  昼間寝て、夜起きているという
   生活リズムが固定してしまいます。 

この問題の根本には、
 昼間にやることがないために
  夜型になる
   ということが多いのですが、
そこから抜け出そうとするときには、
 朝起きれないので、
  昼間の活動ができないという
   視点のズレが生じています。

原因と結果が
 逆転してしまう感じですね。

この逆転現象を
 丁寧に見ていくと、
  起きる時間・寝る時間
   云々よりも、
 やりたいことが見つからない
  ことのほうが根深いのですが、
   そこに意識が行きにくいです。



やりたいことを見つけるための行動を
 展開するためのモードに切り替えれば、
   いろいろとやることは
    見つかるはずですが、
 問題意識はあっても
  今に至るプロセスそのものに
   何の違和感も感じずに
    月日を重ねていくと、
  逆転していることが
   当たり前になって
    元に戻すことに
     違和感や苦痛を
      感じるようになってしまいます。

このように、
 「日常」という感覚が
  ずれていくことは
   何が「当たり前」なのかも
    マヒしてしまうことなので、
 そのあたりの感覚を
  取り戻すプロセスが
   欠かせません。

「日常感覚」の正常化、
 ということになると思いますが、
  基本的には
   「手足を動かし五感をはたらかせる」
    というごくごく当たり前のことです。

固まってしまっている
 「日常感覚」をほぐして、
  自分自身が
   こころから歓ぼうとする衝動を
    解き放っていくことによって、
     「ありのまま」の
      自分の感覚を取り戻すことになるでしょう。
それが、良い循環を
 取り戻すための
  一歩となります。


日本の代表的な精神療法の一つに
 森田療法というアプローチがあるのですが、
  『注意と感覚の悪循環』を
   『精神交互作用』と呼んで
    病気を理解する際の
     重要な概念と位置づけています。

 森田療法の効果や信頼性には
  いろいろな評価がありますが、
   本来は、おそらく、
    悪循環を解消するために
     そういった感覚を取り戻すプロセスを
      実現しようとしたのではないかと
       思われます。



また別の機会に
 ていねいに述べたいと
  思っていますが、
悪循環とは
 自分に閉じた
  循環プロセスだと
   考えています。

何らかの問題が原因で、
 外からの刺激を
  不安定感を引き起こす要素として
   排除するようになり、
    閉じた循環プロセスの中で
     狭い範囲の安定を得ている状態です。
自己に閉じているので、
 当然ながら、
  変化はありませんし、
   本質的に問題は解決されません。

こうした循環から
 良循環にどうしたら
  転換できるか
   ということを考える際に、
    他者に開かれた
     循環プロセスという考え方を
      並べてみることができます。
他者に開かれた
 循環プロセスが、
  風通しを良くして
   本来の日常を
    取り戻せるようにするのですが、
 それに伴う
  変化への抵抗や違和感
   といったものを
    いかに和らげられるかが
     大きな課題となります。

言い換えれば、
 閉鎖系のシステムから
  開放系のシステムへの移行
   といった
 システムの移行に伴う混乱を
  最小限に食い止めるための工夫とは
   どうあるべきかということになります。



そろそろ文字数も
 だいぶかさんできたので、
  詳しくはまた別の機会にしたいと思いますが、
 最後に、循環の軸となっている
  感覚や価値観を維持しつつ、
    システムを段階的に移行させる
     ということについて
      述べておきたいと思います。

軸足を安定したところに置きつつ、
 さまざまな展開を
  ゆっくりと模索する
   支援モデルは、
おそらくさまざまな
 自己開発案件に
  応用できるのではないか
   と思っています。

軸を少しずつずらして
 効果を高めていきながら、
  良循環へと移行する。
そんなシンプルな
 モデルではありますが、
  ずらし方の技法はさまざまで、
   ニーズに合わせて
    使い分けることで、
     より大きな効果を
      もたらすことができます。
特に、
 変化への抵抗感を
  最小限に食い止めつつ
   循環プロセスを
    転換させる際に
     大切にすべきことについて、
      ていねいに整理してみたいと思っています。

タグ:悪循環
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はじめまして ~このブログについて~ [行動システム心理学]

はじめまして ~このブログについて~


数あるブログの中から
 このブログにお越しいただきまして、
  ありがとうございました。
  

ブログのタイトル、
 いろいろと悩みましたが、
  いろいろな話題を扱いたいということで、
   欲張ったタイトルとしちゃいました。

もしかしたら収拾がつかなくなって
 テーマを絞り込むことも
  あるかもしれませんが、
   できれば、初志貫徹したいです。


ひとの生活って、
 いろいろな要素が絡まって
  その人らしいスタイルになっていきます。

いろいろな要素の集まり絡まりを
 トータルとしてみる必要があります。


一部分だけ満足していても、
 それ以外が充実していなかったら、
  満足感も長続きしないです。

お肌がきれいだったとしても、
 体力がなければ美肌を保つ努力を
  維持することはできません。

体力があったとしても、
 経済的に厳しい状況におかれてしまえば、
  限界まで仕事に体力を奪われてしまって、
   健康や美容など、それ以外のことに
    体力をまわせなくなってしまいます。


いろいろなことに
 バランスよくエネルギーを配分して、
  ものごとがスムーズにつながっていくよう
   良い循環を作ることで、
    少しずつ余裕ができてきます。

余裕ができたところで、
 そのエネルギーを上手に配分すると、
  努力による効果も高まります。


物事をトータルに捉えて
 最小の努力で、
  最高の相乗効果を狙えるように
   することを、

【生活システムの最適化】

     と呼んでいます。

生活をシステムとして捉えると
 一連の複雑な生活過程を
  全体としてシンプルに捉えて
   わかりやすく意識できるようになります。

なんだか小難しい言葉になっていますが、
 全体としてシンプルに捉えることで
  「自分らしさ」が追求しやすくなる
   と捉えていただけたらと思います。


生活をシステムとして考える
 第一歩として、
  自分の身の回りのものごとが、
   どのようなことと
    どのようにつながっているのか
     意識してみるとよいと思います。

少しずつ全体像を意識できるようになると、
 いろいろなことのバランスを
  調整できるようになって、
   無駄を減らしていくことができるはずです。

無駄を減らすことによって
 できた余裕を
  より自分らしい
   ライフスタイルの実現に向けて
    上手に配分することで、
生活の質が全体として
  ひとつの方向にまとまりやすくなります。


このブログでは、
 こうした考え方を身の回りの
  ちょっとしたことから
   積み重ねていけるよう
    にするためのヒントを
     ご紹介できたらと思っています。

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